『持続可能なインパクトを生み出そう』
はじめに:ロータリーという「変化」の場所
親愛なるロータリーの友、そしてファミリーの皆さま、おはようございます︕
2026 年国際協議会へようこそ。次期地区ガバナー(DGE)という大役を担われる皆さまを、心から歓迎し、お祝い申し上げます。
今週、皆さんは世界中から集まったリーダーや仲間たちと交流し、ロータリーの真の国際性を肌で感じるでしょう。この機会を逃さず、多くの友情を育んでください。何気ない温かな言葉が、思いもよらない素晴らしい未来へと皆さんを導いてくれるはずです。
ロータリーには共通点があります。それは、「ロータリーが私たち自身を変えた」ということです。奉仕を通じて、私たちはより良い人間へと形作られてきました。私たちのビジョン声明にある通り、変化は「世界」や「地域社会」だけでなく、まず「自分自身の中」から始まるのです。
「受ける側」になってもいい:ティアさんの物語
私たちはよく、ポリオ根絶や平和構築といった「世界を変える活動」を語ります。しかし、「自分自身の中にどのような変化が起きたか」と問われると、言葉に詰まることがあります。
ノースカロライナ州のティア・コッパスさんの例を紹介しましょう。
彼女は2021 年、長い闘病の末に夫を亡くしました。パンデミックの影響もあり、彼女は深い孤独の中にいました。そんな彼女を救ったのは、クラブの仲間からの「夕食会に来ない︖」という一本の電話でした。
不安を抱えながら会場に足を運んだ彼女を、初対面の会員が温かく抱きしめ、「来てくれて本当によかった︕」と伝えました。その瞬間、彼女は「自分は一人ではない、ここには居場所がある」と確信したのです。
彼女は言います。「ロータリーは、与えるだけでなく、受ける側になってもいいのだと教えてくれました。つながりと居場所を求めるなら、ロータリーこそが答えです」と。
寄付から「奉仕」へ:教育へのインパクト
私自身も、十代のローターアクト活動で人生が変わりました。
識字率向上のプロジェクトに参加した際、同世代の若者が読み書きできない現実に直面し、強い衝撃を受けました。「教育へのアクセスを広げる」という責任感が私の中に芽生えたのです。
現在、世界では教育予算の削減により、多くの子どもたちが退学の危機にあります。この危機に立ち向かうには、単なる「寄付」にとどまらず、自らが動く「奉仕」へと意識を変えなければなりません。
例えば、南アフリカのナイズナ・ロータリークラブは、地域と協力して幼児教育センターを立ち上げました。この活動は、単なる一時的な支援ではなく、何世代にもわたって子どもたちの未来を支える「持続可能なインパクト」を生み出しています。
2030 年目標に向けた「開かれたクラブ」づくり
ロータリーが地域から信頼されれば、会員は自然と増えます。しかし、私たちは新しい人々を本当に歓迎できているでしょうか。
私が若い頃、あるクラブの例会に出席した際、「招待もなしに、何という厚かましさだ」と拒絶されたことがあります。もし、そこで一人のロータリアンが「私が君を推薦するよ」と声をかけてくれなければ、今日の私はここにいません。
一部のクラブには、まだ閉鎖的な雰囲気が残っています。若い世代や異なる背景を持つ人々を拒んでいては、未来はありません。
理事会は、2030 年までにロータリアン125 万人、ローターアクター12 万5 千人という目標を掲げています。この達成は、皆さんの目の前の一人に対する態度から始まります。皆さんの振る舞いひとつが、誰かのロータリー・ストーリーを「始める」こともあれば、「終わらせる」こともあるのです。
「成果」の先にある「インパクト」を求めて
クラブ間の競争ではなく、「過去の自分たち」と競いましょう。過去最高の会員増数や寄付額を、ほんの少しでも超える努力をしてください。
そして覚えておいてください。「変化(チェンジ)」は始まりに過ぎず、「インパクト」こそが永続するものです。
ナイジェリアの母子保健プロジェクトでは、ロータリーの介入により乳児死亡率が劇的に下がりました。その「成果」は数字に現れますが、真の「インパクト」は、救われた子どもたちが母親の愛情を受け、次世代の社会を築いていくという未来そのものです。
結び:未来は私たちから
2026-2027 年度の会長テーマは、「持続可能なインパクトを生み出そう」です。
ポリオ根絶という約束を果たすこと。2030 年の会員目標に向けて歩むこと。そして、会員一人ひとりが自分の中にある可能性を解き放つこと。
進歩は勝手に起きるものではありません。自分を変えることで、クラブが変わり、地域が変わり、やがて世界に持続可能なインパクトを与えることができるのです。
友人の皆さま、一緒にこの素晴らしい旅を始めましょう。
ありがとうございました。
オラインカ・ハキーム・ババロラ
2026-2027 年度国際ロータリー会長
